クロ號

chatsnoir2005-06-01

猫マンガのクロ號が完結した。

このマンガ、作者の杉作さんの持ち味なのか、筆一本でシンプルに描いたような絵も好感がもてるのだが、何より、シビアな猫の世界が淡々と展開されていく様が、猫好きの心をたまらなくそそる。

主人公クロの弟は、連載開始直後にあっさり死んでしまう。クロの子供らしいチビクロも主人公なみのかわいらしさを振りまいていたさなか、突然あっさり保健所送りに。親猫たちがそれに抵抗しようとするが、あまりに無力。

このあたりの、無常なまでのあっさり感はキアロスタミの映画にも通じるところがある気がするといえば、強引すぎる連想だろうか。

完結する第九巻では、やはりというか、主人公クロがあまりにあっけなく「おやすみなさい」してしまう。クロと同じく黒猫を飼っていた身としてはあまりに切なくたまらない最後だ。

マンガでここまで心を動かされたのも久々だった。

そうそう、話がそれるが、単行本では、モーニング/イブニングに連載中だった時に欄外に書かれていた編集者のコメントを見ることができない。これは惜しい。
「ヒゲの職業がやっとわかりましたね。なんと無職だったんですね。」
などのようにひとひねりある文章が多く、マンガ本編同様楽しんでいたのだが。