大阪 -東京以外の地方都市化-

出張で大阪に行った。昨年から、何回か続けて関西に帰る機会に恵まれている。
この10年で、2,3回しか地元に帰っていないことを思うと
最近の頻度は非常に多い。

子供の頃、神戸は大きな都市だと思っていた。
小学生の頃、日本の7大都市に入ると聞いて誇らしく思った記憶もある。
だが、高校生の頃はじめて大阪に来て、あまりの大きさに
カルチャーショックを受けた。

そして今、大阪のあまりの小ささに逆のショックを受ける。
ここ2,3年、日本の地方都市をいろいろと回った。
旭川、札幌、岐阜、名古屋、高知、広島、岡山、島根、熊本、那覇

どこに行っても、地方の悲哀と言うか、退廃的な雰囲気が
否応なしに漂っている。

減る一方の人口、寂れていく商店街、悲しいくらい混雑のない
中心街。地元企業は不調、あるいは流出し、労働力も
東京に流れ出す一方だ。それらは東京とは明確に対照的だ。

今回、大阪でさえ、あまりに地方都市色が強いのには、驚いた。
東京よりは、はるかに、高知や広島である。

長年、日本の中心であった関西の地盤沈下を否応なしに
隠せなくなっているのには、関西出身者として悲哀を感じざるを得ない。

ただ、この地盤沈下は関西だけのできごとではなく
人口がまだ増えている札幌にさえ起こっている。
そして、その札幌の背後には、さらに落ち込みの激しい旭川や過疎の町々がある。

例外的に活発な都市をあえてあげれば、横浜、さいたまになる。
いずれも東京近郊だ。今、東京を含む関東には 6000万の人間が住むという。
日本の人口の半数が、「東京圏」にいるわけだ。

過去何度かの国土開発が、いずれも多極分散を目指していたにも関わらず、
東京のみが、人口、経済力ともに突出をさらに強めている。

US では、そこまでの一極集中は起こっていない。
Washington と N.Y. で政治、経済の中心は分かち合っているし、
新興企業は Silicon Valley のようなど田舎から溢れ出してくる。
Chicago や Los,Seattle も活力ある都市だ。

US が基本的に田舎の国だからか。国土が十分に広いからか。
日本は、儒教の影響で見栄っ張りが多いからか。

真実がどれかはわからないが、今、とめようのない東京への一極集中を
悲しく思うのは、失われつつある local culture を惜しんでのことだろうか。